こっちの道で進む

すべてはここから始まった
昔は良かったなんて言うつもりはない。
小窓しかない3畳の部屋には戻れない。
朝まで直立不動でいるなんてできない。
人を傷つけることはもうしたくない。



昔の仲間と二人で歌舞伎町で酒を酌み交わす。
少しアルコールの回った昔の仲間は、歌舞伎町の雑草を歩きながら「昔の自分たちを思い出すと、今こうやって生きていることの奇跡に本当に泣けてくる。あっちに戻るわけにはいかない」と声に出した。


そういうとなんだ。
あそこに戻ることは二度とない。
だから今よりも前に進んでいく。
ゲットーから脱出したクソガキ共が、世界を相手に勝負してもいいじゃない。
誰かに頼るのではなく、自分たちの力で。
そのためにも僕は自分の道を行く。