遠く離れていても


ただいまロサンゼルスの、煙のにおいが充満しているベニスビーチです。今日も快晴で、上半身裸でちょうどいいくらいです。そういや日本にいたときも、暖かく感じましたが、それは僕の肌が分厚くなっているからのようで、半そででいるとアホ扱いです。ただ人間本来の状態に戻りつつあるだけですが・・・。旅を続けることに抵抗がありましたが、こうやって無事ここにいるのはみなのおかげだと思っています。







飛行機内
出国の前日から、僕は憂鬱でした。5月のときに比べて、不安はないものの「行きたくない」気持ちでいました。
チケットを取っていなくて、旅友との約束がなければ、出国をしていないか出国日を変えていたでしょう。
だって日本最高なんだもん。もっともっとやりたいことや、会いたい人たちいたし。
会っている人でも、もっと会いたいし。なんといっても、みんながあったかいんだもん。
仕事もしたいし・・・。仕事といっても、自分のこれからやりたいことを勉強したいとかだけど。
不動産より興味あるけど、今の最悪な不動産の状況も味わってみたいし、こんなときだからこそ生かせそうだし。
でも飛行機にとりあえず乗ってみました。乗ってみたら、やっぱり帰りたい。
帰って、やり残した大事なことをしたい気持ちのほうが強くて、乱気流の中で揺れっぱなしの飛行機が、やっぱ今日は無理ですといって引き返さないかと願ってみて。
いいや、到着したらすぐに帰りの飛行機手配して、飛行場の近くに泊まろうと考えていた。
時期とタイミングを逃してはいけない。流れに逆らわない。
直感は?旅を続けるべきだけど、自分の今やりたいことは帰ることだ。
旅をやめたいわけじゃなくて、日本にいたかっただけだ。
でも自分の気持ちがわかっただけでも、それでよしとしよう。
1人でいたくないという甘えもあるかもしれない。不安をなくしたいという甘えもあるかもしれない。
でも、飛行機に乗っていて、これだけ憂鬱になったのも初めてだ。







ロサンゼルス空港
空港に着いても、まだ迷っていた。迷っているというのが答えだから、とりあえず宿を探すことに。
しかし空港から出るモチベーションがわかない。誰かバックパッカーいないか探してみたが、ツアーしかない。
ベンチにぼ〜と座っていたが、あることに気づいた。
しんちゃんが確かサンフランシスコにいるはずだ。電話してみることに。
僕「実は来たくなかったし、帰ろうかとも思っている」 
しんちゃん「とりあえず楽しもう」
彼に今の僕の気持ちを話して、少しだけ元気になってバス停へ。
そこに冴えない現地のJTBの人がいたので、話しかけた。
話しかけた瞬間にダルそうな顔になったけど、気にするはずがない。
彼にトーレンスはどんな街か訪ねたら、何もないですよとのこと。
あなたのほうが何もないですよねっと言おうとしたが止めて、彼のアドバイスに従ってトーレンスはやめることに。そうするとリトルトーキョーかベニスだが、リトルトーキョーにいる沈没している日本人の中にいたら、それこそ憂鬱になっちゃいそうなので、開放的なビーチに行ったら気分が変わるだろうとベニスに向かった。







ベニス
前に泊まった宿はラッキーにも空いていたので、泊まることに。
でも部屋に入ってビックリ。臭いじゃないか!しかも湿気がひどい。
あ〜あと思いながら、準備をしてビーチへ。1時間歩いてマックに入る。
やたら分厚いハンバーガーを食べて、ビーチを戻ったら眠くなったので、ビーチに寝転んだら、4時間も爆睡。
だって機内は考えすぎで寝てないから。時差が10時間以上あって戻るから、体内時計狂いまくりです。
時差ぼけ大嫌い。
で、宿に戻って部屋に戻ろうとしたら、あれ?部屋が違うぞって、違う部屋に荷物入れていたようです。
かぎ開けっ放しなので、気づきませんでした。
やった!臭い部屋から脱出だと思って、引越ししたら、そこも臭い。でも湿気はないので、まだましです。
で、夜の7時過ぎにはベッドの中に飛び込んだ。結局次の日の11時までベッドから出れずです。







そして今日
起きたら、誰もいない。3人の臭いドイツ人に囲まれながら、これだけ寝れたのも、時差ぼけのおかげです。
じょじに身体を起こして、とりあえず時差ぼけには太陽の光を浴びるのが一番だからと誰かに聞いたので、外に出ることに。
そして、また1時間歩いてマックへ。久しぶりのマックなので、少しはまり気味。
海を眺めながら、自分を眺めて宿に戻ったら、パキスタン人のオマーが入ってきたと思ったら、トイレに駆け込んだ。そして爆発音が数回。手に提げたビニール袋は、アジアでよく見かける黒いやつ。さて、今日は彼と飯食いに行くのかな。






強く
僕はもっと強くなる。そしてビビりも卒業する。
貧しいけど太っていて、はしゃいでいるのにどこか悲しそうなアメリカ人に囲まれたマックでそう決めた。
10代のかわいさは、どこに消えてしまうのだろう?
若いって、本当に素晴らしいことだ。
はったりだけで生きてきた人生。本当はビビッている。
それを知られないのがうまくなっただけで、心の底では震えている。そんな遺伝子は自分で消す。
ツアーだが、ひどい方言のおじいちゃんたちが飛行機に乗っている。
旅人たちが、多くのものを引きずりながら旅を続けている。
多くの人たちが、孤独で不安な夜を過ごしている。
僕ももっと強くなろう。








勇気
僕は今回の旅立ちの際、いろんなものを離してきた。
少しでも引きずらないために。誰にとっても、何にとっても。
僕の冷酷で嫌なところは、冷酷に人と接することができないところだ。
優しくない優しさ。
人との関係を切り離すことができない。
ましてや、僕を好きでいてくれる人は絶対的に好きだから、切れるはずがない。
それが僕の不完全な部分。そして偽善者なのかもしれない。
でも今の僕は、誰にも依存してはいけない。へたれで終わりたくない。
胸を張って勝負をしなきゃいけない。自立しないと。
夢を実現するために、僕は前へ進む。もちろんそれは、死への覚悟でもある。死なないけどね。
本当は、こんなこと書きながらも考えているんだけど。
でも、もう決めたんだ。勇気を持つと。