僕のフリー

新たな試み
お気に入りの書籍を交換する試みを始める。
そのため、お気に入りの書籍の要点をまとめる必要性が高まった。
ほぼ強制的に読み返しができるのも、本交換会のメリットだ。
しかも旅人みたいでドキドキする。また報告します。




フリー
今年のビジネス書としてベストです。
考え方がまったく変わりましたし、これを読まないのは機会損失として大きい。
http://www.freemium.jp/

手放すことになったので、要点まとめてみました。



とうもろこし
米はたんぱく質が豊富だが育てるのは難しい。
小麦はその逆で育てるのは簡単だが、たんぱく質が少ない。
とうもろこしだけが育てるのが簡単なうえ、たんぱく質が豊富。
それらの穀物が必要とする労働量に対する実に含まれるたんぱく質の量の割合が、その穀物を主食とする文明の進む道に影響を与えた。
その割り青いが高ければ高いほど、少ない労働で自分たちを養えるので「社会の余剰」が発生する。米と小麦を主食とする社会は農耕社会で、内側に向く文化になりやすい。米と武器を育てる過程でかなりのエネルギーをとられてしまうから。
マヤやアステカなどトウモロコシを主食する文化は、時間とエネルギーがあまっていたのでよく近隣の部族を攻撃した。アステカ人を好戦的にしたのは潤沢なトウモロコシだった。
スーパーにある4分の1はトウモロコシが入っている。





たくさんありすぎて気づかない
ひとたびものが贅沢になると、ふだん空気を意識せずに呼吸しているのと同じで、私たちはそれを無視しやすくなる。贅沢にあるときは必要の選択がないので、それについて考えなくていい。

最高の収益をあげるには、頭脳によって付加価値がつけられたもの。
贅沢さにもとづく思考は、何が安くなるのかを見つめるだけでなく、価値がどの方向へ向かおうとして、その結果、何の価値が上がるのかを探ることで、それを利用しようとすることでもある。

値段がつくことで私たちは選択を迫られる。それだけで行動を止めさせる力を持つ。値段がついているものに出会うたびに、あたかも私たちの脳の中に合図の旗が揚がる。「それだけの値打ちがあるものか?」いくらであろうとお金を請求されることで、私たちは財布の口を開けるほど本当に自分がほしいものなのかと自分に確認しなければならなくなる。一方無料なら、その旗が揚がることはなく、ずっと簡単に決断できる。
その旗を「心理的取引コスト」という。考えることに費やされるコスト。人間は本来、怠け者なので、できるだけ物事を考えたくない。だから私たちは考えずにすむものを選びやすい。
フリーは決断を早めて、試してみようかと思う人を増やす。フリーは直接の収入を放棄する代わりに、広く潜在的顧客を探してくれる。
価格がゼロにおける需要は、価格が非常に低いときの需要の数倍以上になる。
安いことと無料のあいだには大きな差がある。




時間とお金の方程式
朝起きると、自分が時間よりもお金のほうを多く持っているのに気づく。子供のときは、お金よりも時間を多く持っている。だから手間がかかってもMP3ファイルの交換をするしかない。お金を払わないために時間をかけることは、「最低賃金以下で働いていること」を意味する。それでも時間がたくさんあってお金がなければ、それは合理的な方法になる。




海賊版
海賊行為が特殊な窃盗である理由は、正当な所有者に被害の実態がないから。現実に損失を受けるわけではなく、利益を減らされる。
デジタル市場ではフリーはほとんどの場合で選択肢として存在する。企業がそうしなくても、誰かが無料にする方法を見つける。デジタル世界の製作者のほとんどは、遅かれ早かれフリーと競い合うことになるだろう。人々はお金を支払うべき理由を探している。



安すぎて気にならないは世界を変える




産業経済の主要生産要素の価格がこれだけ速く、長いあいだ落ち続けることは、歴史上類を見ない。価格が上がり続けるのが当たり前の世界で、この3つのテクノロジーに関するコストは下がり続けていて、限りなくゼロに近づいている。




イデア
イデアとは究極の贅沢な商品で、伝達のための限界費用はゼロ。アイデアが生まれると、みずから広く遠くへと伝わることを望み触れたものすべてを潤沢にする。




潤沢な情報は無料になりたがる。希少な情報は高価になりたがる。




人々がほしがるものをつくる




フリーは市場の流動性を高め、流動性は市場の機能を高める。




グーグルは内容をもっとも関連がある人にだけ広告を見せる。




情報が豊富な世界においては、潤沢な情報によってあるものが消費され、欠乏されるようになる。そのあるものとは、情報を受け取った者の関心である。つまり潤沢な情報は関心の欠如を作り出す。




あらゆる潤沢さは新しい希少性を作り出す




人はパンのみにて生きる、というのは正しい。パンがほとんどないときには
だがパンが豊富にあり、いつも胃袋が満たされているならば、人間の欲求はどうなるだろうか?
すぐに別の欲求が現れ、生理的空腹に代わってその肉体を支配する。情報社会でも同じこと。




南太平洋の島などの土着の社会では貨幣経済はなかったが、贈り物の交換や儀式を通じて名声が築かれ、その文化的通貨が貨幣の代役をした。
そうした社会の多くは、食物が木々からいくらでも採れるなど天然資源に恵まれていたので、基本的な物質的欲求は満たされていた。そのためマズローの欲求の階段を登って社会的欲求に集中することができた。そこ贈り物は社会を結びつける役割を果たした。
またネイティブアメリカンのいくつかの部族には、贈り物をもらったら返礼をしないといけないという暗黙のルールがあった。
また、贈り物は自分で保有しないで別の人のあげるべきだとされた。




マチュアの創作意欲を動機付けるのはお金ではなく、寛大な心でもなく、啓発された利己主義こそ人間のもっとも強い力。
人々が無償で何かをするのはほとんどの場合、自分の中に理由がある。それは楽しいからであり、何かを言いたいから、注目を集めたいから、自分の考えを広めたいからであり、ほかにも無数の個人的理由がある。




社会的・精神的報酬を得られないことをやめることによって、消費するだけでなく生産もできるコンピューターの画面を選ぶことが増えている。コミュニティの一員であることを感じ、その繁栄に貢献したいと思う欲求。個人の成長の欲求。わかちあう欲求。




衣食住をはじめとするマズローの言う物質的欲求を、朝から晩まで畑で働かなくても得られる世界では、思考の余剰を私たちは見出す。仕事だけでは活かしきれないエネルギーや知識のこと。同時に私たちには、仕事では満たしきれない精神面や知識面の欲求もある。
私たちが報酬なしでも喜んですることは、給料のための仕事以上に私たちを幸せにしてくれる。私たちは食べていかなければならないが、生きるとはそれだけではない。
創造的かつ評価される方法で貢献する機会は、最上位にある自己実現に他ならず、それが仕事でかなえられることは少ない。ウエブの急成長は、疑いなく無償労働によってもたされた。人々は創造的になり、何かに貢献をし、影響力を持ち、何かの達人であると認められ、そのことで幸せを感じる。




自然は命を無駄にする
私たちの脳は、無駄なことに抵抗を感じるように配線されている。
それは私たちが哺乳類だからであり、自然界では比較的珍しいことだ。哺乳類は動物の世界でもっとも子供の数が少なく、その結果、私たちは子供が大人になるまで守るために莫大な時間と手間を費やす。人間一人の死は悲劇であり、個人の命を何よりも大切にしている。
自然界のほかの生き物はそうではない。より良い命を探すために命を無駄にする。失敗に失敗を重ねながら遺伝子を変異させる。生殖の優位性を決める過酷な争いによってその創造物のほとんどをすばやく殺すことで、自然は自らの創造物をテストする。
自然界にこれほど無駄が多い理由は、数学者が言う「ありうべき空間の完全な調査」をおこなうためには、やみくもに撃ちまくる戦略が最良の方法だから。タンポポの考え方




中国では音楽に課金をした瞬間に99%のリスナーを排除することになる。
偽物が出回ることで本物の知名度は上がる。




あの世
潤沢と気性の世界がもっとも端的に描かれているのは宗教。
天国は、人間が想像しうる究極に贅沢な場所。しかし潤沢な社会が、目的を失い、太った人間を生み出すのは当然だろう。



無料のルール
1、デジタルなものは、遅かれ早かれ無料になる
2、アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
3、フリーは止まらない
4、フリーからもお金儲けはできる
時間を節約するためにお金を払う人がいる。リスクを下げるためにお金を払う人がいる。ステイタスにお金を払う人がいる。フリーは新しい顧客を獲得するドアを開けてくれる。
5、市場を再評価する
6、ゼロにする
まっさきに無料にする
7、遅かれ早かれフリーと競い合うことになる
8、無駄を受け入れよう
9、フリーは別のものの価値を高める
あるものやサービスが無料になると、価値は1つ高次のレイヤーに移動する。そこに行こう。
10、希少なものではなく、潤沢なものを管理しよう
資源が希少な世界では、資源は高価になるので慎重に使う必要がある。企業文化は失敗するなから、早めに失敗しろに変わる。




フリーミアムの法則
1、時間制限・・・30日間無料、その後有料
利点:実行しやすい、低価格競争で共倒れになるリスクが少ない
欠点:最初から本気でそのソフトを試してみようとする顧客が少ない

2、機能制限・・・基本性能は無料、機能拡張版は有料。
利点:最大限のユーザーを得る最良の方法。顧客が有料版に移るのは、お金を払うだけの価値があると納得したからなので、その顧客は製品に忠実になり、価格に敏感になりやすい。
欠点:ふたつの製品をつくらなければならない。無料版に多くの機能を入れすぎると有料版に移る顧客は少なくなるし、反対に無料版の機能を制限しすぎると顧客が有料版を検討するほど長く利用してくれない。

3、人数制限・・・一定数の人は無料で使えるが、それ以上の利用者は有料。
利点:実行しやすくシステムがわかりづらい。
欠点:低価格競争で共倒れになるリスクがある。

4、顧客のタイプによる制限・・・創業間もない企業は無料、それ以外は有料。
利点:優良な新興企業をいち早く顧客にできる。
欠点:確認プロセスが複雑で管理しにくい。